採用も定着も！中小企業が今すぐ取り組むべき働き方の柔軟化
近年、働き方に対する価値観が大きく変化しています。
コロナ禍をきっかけに急速に広まったテレワークですが、感染対策の枠を超えて、働く人々にとって「柔軟性」という新たな魅力をもたらしました。
その象徴的なデータとして、テレワーク実施者の8割が継続を希望しているという調査結果があります。
一方で、将来の労働力となる若者も、柔軟な働き方を重視していることがわかっています。2026年3月卒業（修了）予定の大学生・大学院生を対象に行ったアンケートでは、約9割の学生が「出社」と「リモート」を組み合わせて働ける企業に対して志望度が上がると回答しており、「選択肢が多い企業はフレキシブルな対応をしてくれる」というイメージが強いことが調査で明らかになりました。
＜出典＞約 9 割の学生が、「出社」と「リモート」を組み合わせて働ける企業は「志望度が上がる」と回答。「選択肢が多いと、フレキシブルな対応をしてくれる企業だと感じる」の声｜株式会社学情
このような背景から、「働き方の柔軟性」は単なる従業員満足度の向上だけでなく、企業の採用力や競争力に直結する重要な要素となりつつあります。特に人材確保が課題となる中小企業にとって、こうしたトレンドに対応することは、企業の成長を支える大きなチャンスと言えるでしょう。
柔軟性がもたらす3つのメリット
働き方の柔軟性は、従業員だけでなく企業にとっても多くのメリットをもたらします。ここでは、その代表的な3つの効果について解説します。
メリット1：社員満足度の向上
柔軟な働き方を導入することで、従業員は自分に合った働き方を選びやすくなります。例えば、通勤の負担が軽減されることでストレスが減り、仕事とプライベートのバランスが取りやすくなります。その結果、従業員のエンゲージメントや生産性が向上し、離職率の低下にもつながります。育児や介護、自身の治療といった従業員のライフステージが変わっても働き続けることができ、離職を防ぐことができます。「働きやすい環境を整えること」は、企業の持続可能な成長に直結する取り組みと言えるでしょう。
メリット2：採用力の強化
「出社」と「リモート」を組み合わせたハイブリッドワークを提供する企業は、若手人材からの志望度が高まります。特に中小企業においては、大企業との競争を勝ち抜くために、自社の柔軟性をアピールポイントにすることが効果的です。多くの学生がフレキシブルな働き方を求めている現状を踏まえ、採用活動においても「柔軟性」を積極的に打ち出すことで、多様な人材を惹きつける可能性が高まります。また、企業にテレワーク環境があれば、居住地に関わらない専門人材を副業として部分的に参入してもらうこともできます。
メリット3：企業イメージの向上
働き方の柔軟性を重視する企業は、従業員や求職者から「フレキシブルで信頼できる」という印象を持たれやすい傾向にあります。これは、単なる福利厚生の充実にとどまらず、企業文化やブランド価値の向上にも寄与します。さらに、柔軟な働き方を導入することで、従業員が多様なライフスタイルやキャリアプランを実現しやすくなり、「社員を大切にする企業」という好意的な評価を得ることができます。
中小企業の未来をつくる柔軟性への投資
働き方の柔軟性は、単なるトレンドではありません。これからの企業経営において、持続可能な成長を支える重要な要素です。実際に、近年ではテレワーク可の求人が急増しており、求人市場における競争力のカギとなっています。2022年5月からのdoda掲載のテレワークができる求人を見ると、新型コロナウイルスが5類に移行した後も掲載数は増えています。
＜出典＞働き方や働く場所はどう変わった？リモートワーク・テレワークの実態調査｜doda
このことからも、柔軟な働き方を採用する企業が求職者から注目を集めていることが明らかです。中小企業がこの流れに対応しない場合、優秀な人材の確保がさらに困難になる可能性があります。
従業員満足度を高めることは、離職率の低下や生産性の向上につながり、採用面でも若手人材からの高い支持を得られる要因となります。また、柔軟性を持った企業は、その姿勢を評価され、市場や地域社会からの信頼感を得ることができます。
中小企業だからこそ、変化に対応する機動力があります。大企業に比べて意思決定が迅速で、独自の工夫を取り入れる自由度も高い点を活かし、小さな一歩から取り組みを始めましょう。例えば、部分的なリモートワークの導入やフレックスタイムの試験運用など、無理なく実行できる施策は数多く存在します。
これからの時代、「柔軟な働き方を提供できるかどうか」は、企業が生き残るかどうかを左右する重要な判断基準となります。
まずは県内企業の事例や、同じ業種の事例を参考にして、できるところから取り入れてみてはいかがでしょうか。
＜事例参考＞
柔軟な働き方の導入に関するご相談は「企業のスマートワーク相談室」まで！