飯泉 嘉門(徳島県知事)
最終更新日:2016年4月12日
Q1.なぜ今テレワークを推進するのか?
日本は平成20年度をピークとして、急激に人口が減少となり、少子高齢化対策として新しい働き方、働き方の改革が急務となっています。
少子化に対応するということであれば、やはり「ワーク・ライフ・バランス」をはじめとして子どもを産み、育てやすい、あるいは子どもを育てながら自己実現する、しっかりと働ける環境を整えていく。そのためには、時間・場所を問わない「テレワーク」が求められ、その環境整備が不可欠となっています。
Q2.なぜ徳島がテレワークに適した場所なのか?
そのキーワードは「ピンチをチャンスへ」です。
地上デジタル放送、テレビが双方向になって、茶の間から紅白歌合戦に投票できる。いいことづくめです。でもこれは実は46都道府県。徳島県はアナログ放であるが故に10チャンネル見えていたテレビが、放送法上では3チャンネルしか見えない県。これでは高齢者の皆様も時代劇がなかなか自由に見れなくなる「これは大変だ!」ということで約8年をかけて各ご家庭をCATVで結ぶ『全県CATV網構想』を推進してまいりました。
その結果4年連続でCATVの普及率は日本で第1位。しかも後発の利で各家庭に光ファイバーが入ることとなりました。
この素晴らしい光ブロードバンド環境を活用しない手はないだろうということで、徳島県では情報通信関連産業、企業の誘致を積極的に行い、地方創世の今、モデルと言われている神山町、美波町、三好市には東京・大阪のICT企業の皆様がSO(サテライトオフィス)を構えています。東京・大阪を同じような働き方ができるということで非常に評判を得ています。
コールセンターやデータセンターは12社17事業所が徳島市をはじめ県下に集うようになりました。特にコールセンター、データセンターでは女性の皆様が働くということで、例えば育児休業されてからの復帰率が100%の企業も出てきており、『ワーク・ライフ・バランス』を整えるには絶好の産業となっています。こうしたものが徳島県に集約、集積している先進地域となっています。
Q3.テレワークの普及・拡大に向けた取り組み
徳島県では新しい働き方『テレワーク』をできれば全県下に広めていくことはできないだろうかということで、平成26年8月に既にテレワーク行っていただいている企業、団体、専門家の皆様方に一堂に会していただき、『テレワーク活動ネットワーク会議』を立ち上げ、テレワークの普及に努めてきました。
また、昨年10月には具体的にテレワークを考えられる方々、例えば子育てや介護で、自宅で働かざるを得ない、あるいは働き続けることはできないだろうか、と考えている皆様方や企業の皆様方で「これからテレワークを導入しようじゃないか、でもまずはやっぱり試してみないと」と考える企業の皆様にテレワークの実証の場を持っていただこうということで『テレワーク実証センター徳島』を開設させていただきました。
こちらではただ単にテレワークの実証を行っていただくだけでなく、テレワーカーの育成講座も開催しています。多くの皆様方に『テレワーク』をこれからの新しい働き方として、我が物としていただけるように普及活動を推進しているところです。
またもちろん『隗より始めよ』。テレワークを県庁からも実践していこうということで、モバイルワークや自宅での勤務を徳島県庁ですすめているところです。
Q4.知事からのメッセージ
『時間と場所を選ばない』『ワーク・ライフ・バランス』『子育て』『介護』。これらのことをそれぞれの皆様のライフワークにしっかりと合う形で、仕事をし続け、自己実現をはたらく、テレワークを徳島から、人口減少の大きな処方箋として成果を出すととも、人口減少を克服し日本創生、一億総活躍のモデルを全国に発信していけるよう、ぜひ皆様方にはご協力をよろしくお願いいたします。