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「子持ち様」論争から見る職場の課題と対策!中小企業の視点から考える

子どもを抱えて悩むワーキングマザー

ネットスラングの「子持ち様」という言葉をご存知でしょうか?
近年、幼い子どもを持つ親を揶揄する言葉「子持ち様」が、SNS上での議論を巻き起こしています。X(ツイッター)のユーザーの投稿から端を発し、賛否両論が交錯しています。これらの論争から特に職場において育児中の上司や部下・同僚の休みの穴埋めをすることに対する不満が大きくなっていることが感じられます。
今回は「子持ち様」という言葉が生まれる原因を考え、企業側がとるべき対策について、中小企業の視点から見ていきます。

職場の雰囲気の変化とリスク

近年、共働き世帯は7割を超え、子どもを持つ親たちの多くが働いているという状況になりました。そして、人々の生き方や価値観も多様化し、未婚率の上昇や、結婚しても子どもを持たない選択をするケースも増えてきました。

少子化に伴い子育て世帯数は減少しています。2022年の厚生労働省の調査では、18歳未満の子どものいる世帯は全体の18.3%でした。調査を遡ると、2002年は子どものいる世帯が全世帯の中で最も多く32.5%でした。20年で約半数になっています。
出所:2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

子育てをしながら働く親が増えた一方で、生涯を通して子育てをしない社員が増加し、子育て中の社員は少数派になりつつあります。 そんな中、子どもがいる人といない人の間に感情面での分断が生まれつつある背景を表したのが「子持ち様」という言葉の登場といえるのではないでしょうか。

こうしたことは、育児だけでなく介護を抱える社員でも同様の状況に陥る可能性があります。個々の事情で仕事を休むことは避けられないものです。それが周囲への業務負担へ繋がることも避けられません。

育児や介護などで休みが取りにくい職場環境は、現役の子育て・介護世代だけでなく、将来の子育て・介護に直面する可能性のある世代にも悪影響を及ぼす可能性があります。離職率の増加や、ひいては、若者世代が子育てに対し生きづらさを感じさせることとなり、少子化問題を一層深刻化させる恐れがあります。

企業の役割と中小企業への支援策

このような状況の中、企業側は社員が育休や時短勤務を取得する際に「申し訳なさ」を感じずに取得できるような風土を醸成する必要があります。そのためには、育休の社員の代替業務を引き受ける社員の評価制度や報酬の見直しなど、育休取得者や短時間勤務取得者の周辺社員に焦点を当てた改革が重要です。

実際に対策を講じる企業も出てきています。例えば、三井住友海上火災保険では育休職場応援手当という制度を導入し、育休を取得した社員の同僚に一時金を支給しています。

しかし、中小企業は原材料高や賃上げなどの経済的課題に直面しており、大企業と同様の対策を取ることは難しい場合もあります。

中小企業に向けての支援策として、厚生労働省による「両立支援等助成金」に令和6年1月より「育休中等業務代替支援コース」が新設されています。今までは代替業務への新規雇用に対する支援でしたが、周囲の労働者も助成金の対象に加えられています。また、プラチナくるみん認定企業に対しては助成金の優遇措置もあります。
その他、中小企業の両立支援のための取り組みのポイントや好事例の資料が厚生労働省から出ています。
助成金や支援制度を上手く活用することで、働きやすい職場環境を整える一助になります。
詳しくは以下をご確認ください。

 


<参考>

くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて|厚生労働省

プラチナくるみん認定とは|厚生労働省


「子持ち様」論争を通じて、職場の課題や社会全体の問題が浮き彫りになりました。
中小企業も含め、企業はこれらの課題に真剣に取り組むことで、働き方改革を推進することが求められています。

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