転職あたりまえ時代!スキルアップ環境が働きがいに直結
現在のビジネス環境では、従業員のキャリアに対する期待や働き方に対する価値観が大きく変わりつつあります。特に生成AIの普及などテクノロジーの進化に伴い、従業員は自らのキャリアアップに繋がるスキルアップの機会を重要視するようになっています。
こうした状況下で、企業は従業員のスキル向上を支援し、モチベーションを高める取り組みを強化することが求められています。
今回はPwCジャパングループがまとめた従業員意識調査の結果から、企業が取り組むリスキリングの重要性を考えてみます。
グローバル従業員意識/職場環境調査「希望と不安」2024:絶え間ない変化の中で、成果を上げ続けるにはどうすればよいか?|PwCジャパングループ
(調査は2024年3月に実施。回答者は世界50の国・地域の5万6600人、日本の回答者数は2500人。)
日本の転職意向の高まり
近年、日本の労働市場では、従業員の転職意向が急速に高まっています。PwCの調査「Hopes and Fears 2024」によると、1年以内に離職する可能性があると答えた日本の従業員は29%と約3割に上り、世界平均の28%を上回りました。この結果から、日本の人材の流動性が高まり、労働者がより良い職場環境を求めていることが分かります。
特に注目すべきは、転職を考えている労働者がスキルの向上を非常に重視している点です。調査によれば、退職を検討している従業員は、新しいスキルを習得する機会を転職の決定において重要な要素として捉えています。実際、1年以内に退職する可能性が高いと答えた従業員は、そうでない従業員に比べて、新しいスキルを学ぶ機会を求める割合が約2倍に達していることがわかりました。これは、スキルアップが転職意欲に直結していることを強調しています。
リスキリングによる人材育成の重要性
PwCの調査結果をみると、従業員がパフォーマンスを向上させるために最も重視しているのは「成果に対する公正な報酬」ですが、同時に仕事の充実感や柔軟性も重要な要素とされています。日本では、「仕事に充実感がある」と答えた人の割合が34%にとどまり、世界平均の53%を大きく下回っています。日本の従業員は世界平均に比べてやりがいをあまり感じていない様子です。
こうした背景から、企業が従業員に対してリスキリングやスキル向上の機会を提供することが、これまで以上に重要になってきています。従業員が今の会社に留まるか、転職するかを決める際に、新しいスキルを習得できる環境があるかどうかは、非常に大きな要因となっています。特に、デジタル化が進む現代において、ITスキルやデータ分析の能力といったデジタルスキルの習得は、多くの業種で求められるようになっています。
企業が取り組むべき施策
日本企業の多くで社員教育としてOJTが取り入れられてきましたが、テクノロジーや社会の変化が早くなり、今までのやり方が通用しないケースが往々にして見受けられます。
企業が優秀な人材を定着させるためには、リスキリングの機会を積極的に提供し、従業員が自身のキャリアを築ける環境を整えることが求められます。継続的かつ適切なスキル向上の機会を提供することで、従業員のモチベーションやエンゲージメントを高めることができ、結果として企業全体のパフォーマンス向上にも繋がることが期待されます。
このように、労働市場の変化に対応し、リスキリングを通じて従業員の成長を支援することは、企業の競争力を維持し、長期的な成功を収めるために欠かせない取り組みです。
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